イタリアの医療組織((イタリア健康保険制度)) 



  {A} イタリア国民医療組織の歴史的変遷:


 まず初めはイタリア統一と同時に公安組織の一部に国民医療機関が計画された。その後、国民の健康保持を目指した結果、1958 年に保健省 (Ministero della Sanita')の設立をみる。保健省の設立以前に高等厚生委員会 (Consiglio Superiore di Sanita') が1888年に設立され、高等厚生研究所 ( Istituto Superiore di Sanita') は1934年に設立された。
現在のイタリアの国民医療保健制度の基本法は、1978年12月28日に制定された保健改正法(Legge di Riforma Sanitaria)第833法に基づいて設立した国民保健サービス機構(Servizio Sanitario Nazionale = SSN)である。この法律は、1958、68、74年にそれぞれ制定された健康保険負担金に関する総合法、公共委員会の管理下に置かれる診療施設に関する 法、そして州行政下に診療施設財政権限を委譲する法から構成されている。  
その後、法令502/92が1992年に発令され、1999年には法令229/99が発令された。 法令229/99の主な改革事項としては、公的医療機関に勤務する医師の65歳定年制、地域保健事業体(Aziende Unita` Sanitarie Locali=ASL)と病院企業体(Aziende Ospedaliere)への投資の柔軟化、公共医療監視体制の導入、そして国民健康の擁護があげられる。 国民保健サービス機構(Servizio Sanitario Nazionale = SSN)は受益者一部負担を原則として、国家医療保険給付に基づき、包括的な市民健康維持に関する保健及び診療を行う。

  {B} 国民保健サービス機構(Servizio Sanitario Nazionale = SSN)=イタリア健康保険制度について:

 国民保健サービス機構(SSN)は「万人救済」universalistico の精神を基とし、直接あるいは間接国税による公共融資を基盤とする公的医療機関として1978年に発足した。
イタリアの健康保険制度は、地方政府が実施したが、その水準は国が決定し、財源も国が交付する方法をとってきた。しかし実施と負担の主体が異なっていては、効率化インセンティブは働かない。そこで1997年のバッサニーニ改革で、国と地方の役割分担が見直され、地方分権化が進められた結果、運営自治権が移管されるに従い、保健支出の権限も州政府に移されるようになった。保健省が定める「必要不可欠な医療サービス」Livelli essenziali di assistenza (保険医、自由選択可能な小児科医、当直医、専門医、診療検査など)も州政府に移管された。

 

{C} 国民保健サービス機構SSN(イタリア健康保険制度)の役割について:

 地域社会におけるいわゆる「一次医療サービス」の提供と保険医を通じて「二次医療サービス」の提供(地域保健所 Azienda Ospedaliere, Azienda Sanitario Locale が受け持つ)が主な役割である。

{D} 国民保健サービス(イタリア健康保険)加入について:

 イタリアに生活する全イタリア市民は国民保健サービスを享受することが出来る。海外に生活するイタリア市民もイタリア国内に帰国したときに同じように国民 保健サービスを受けることが出来る。更に以下に述べる人達もイタリアの国民保健サービスを受ける権利を有する。

1.ヨーロッパ共同体諸国からの外国人、そしてイタリアと医療相互協定のある国から来た外国人。
2.イタリアに在住し、従って国民保険料を支払い、国民保健サービス機関に登録し、労働に従事している外国人。
3.イタリア国内にいる外国人(もし滞在許可証がない場合でも)は感染症予防処置、妊娠中の母子保護を無償で受ける権利を有する。

イタリア市民は国民保健サービス機関に登録加入する義務を有し、最寄りの地域保健所(ASL USL)にて規定の保険医( ホームドクター)を決める。

 

{E} 医療保険加入の流れ:

 居住区管轄の地域保健所(ASL=Aziende Sanitarie Locali)で医療保険に加入したい旨を告げ、必要書類に記入する。税制番号、滞在許可書、パスポート、住民票の提示を求められるので持参する。
 ASLには保険医師リストがあり、その中から選択し登録する。地域保健所(ASL)が多市町村にまたがる場合も同じである。ま た、市町村内に複数の ASL がある場合、例えば大都市では、その地域に登録されている全ての保険医リストから選択できる。仕事、勉学或いは健康上の都合に より、住民登録されている場所と、居住する場所が異なる場合には、ASL は居住地域の保険医選択を期限付きで認める。

 被保険者が既に選択した保険医を変更する場合は、ASL に新しく選択した保険医名を通知し、新しい保険証(libretto sanitario)を受け取る。もし、被保険者と登録保険医との信頼関係が損なわれた場合には、当該保険医は当該被保険者の診療を断ることが出来る。
 一人の保険医=medico di base(ホームドクター)が受け持てる患者数には限りがあるので、リストの中から空きのある医師を選ぶことになる。保険加入者が14歳以下の場合は小児科医を決める。後日、医療保険番号、ホーム・ドクターの名前、医院の所在地などが記入された保険証(Libretto sanitario)が発行される。

 

{F} 保険証(Libretto sanitario)と保健カード(tessera sanitaria) の違い:

 保険証(Libretto sanitario)は国民保健サービス機構(SSN)が発行する証明書で医療保険番号、ホーム・ドクターの名前、医院の所在地などが記載されていて保険診療の際に必要であるだけでなく、ホーム・ドクターの処方箋で薬局で薬を支給される時にも必要である。保険証(Libretto sanitario)は居住する地区の地域保健所(ASL=Aziende Sanitarie Locali)で受け取る。
 一方、保健カード(tessera sanitaria) は財務省と国税庁が共同で、国民保健サービス機構の収入支出動向を掌握して国民保健サービス向上の目的で発行する証明カードである。証明カードには税制登録番号、本人情報、本人病歴、その他が記載されている。いずれの欧州連合加盟諸国でも居住する地区の地域保健所を経由することなく最寄りの医療施設でこのカード情報を開示することが出来る。

 

{G} 保険医=medico di base(ホームドクター)について:

 いわゆる「一次医療サービス」としての基本的な医療は保険医(medico di generale) と自由選択可能な小児科医によって保険診療される。保険医は(当該保険医に登録されている)住民の健康保持の責任を負い、SSNから保証されている「二次医療サービス」医療機関を利用することが出来る。そして全ての市民は保険医の医療サービスを受ける権利を有する。 またイタリアは欧州連合加盟諸国の中で14歳以下の小児科専門医を保険医として指定出来る唯一の国である。

{H} 国民健康保険を使った基本的な医療について:

 SSN が保険契約する一保険医に登録可能な被保険者は1500人まで、小児科専門医は800人までとなっている。各登録保険医は、特別な場合を除き、住民1500人以上の被保険者を受け持つことは出来ない。すなわち各保険医の労働過重を避け、そして各保険医の生活が 保証されなければならない。また保険医は週少なくとも5日間診療所を維持し、充分な診療時間、患者の適当な待機時間、衛生環境、空調などを確保しなければ ならない。

{I} 保険医=medico di base(ホームドクター)の診療について:

保険医の診療内容は以下の通りである。
1. 診療所内診療;当該保険医の診療所にて、開業日、開業時間に診療する。
2. 往診診療;本人が診療所に行き診療を受けられない場合には、往診診療を保険医に依頼することが出来る。緊急の場合には、出来るだけ早急に対応する。但し、週日は20 時以降、土曜日は14時以降、月曜日の8時までは、救急診療は「夜間休日当直医」guardia medica notturna e festiva を呼ぶか、または救急病院へ連絡する「118」番を呼ぶ必要がある。
3.医薬剤の処方;保険医は診療に必要な処方箋をだす。そして医療切符適応外の添え書きを処方箋に記す。特別な場合を除き、処方箋には同一医薬剤を2包(箱)以上、または2 種類以上の医薬剤を同一処方箋に記すことは出来ない。
4. 臨床検査と専門医紹介;保険医は臨床診断を確実にする目的で、臨床検査又は医療機器での検査、更に専門医診察を依頼できる。各処方箋には8検査項目以上は記入できない。物理療法 上必要としない限り、各専門分野による重複した検査は出来ない。
5. 入院依頼;保険医は被保険者の診療経過を記入し、入院依頼書を作成する。入院中、当該保険医は病院内医師に当該被保険者の臨床データを提供し、病院内医師と協力して 治療にあたる。そして退院時には、当該病院は入院診療データと退院後の家庭内治療指針を当該保険医に提供する。
6. 健康診断書;保険医は次の証明書を被保険者に無償で作成する。
1)通学許可健診書(保育園児から高校生まで)
2)休業を目的とした健診書と学校提出を目的とした体操許可健診書
3)その他の証明書は有料(例えば運転免許証書き換えを目的とした健診書)

    {I-2}  登録保険医(ホームドクター)以外の保険診療について:
被保険者が在住地以外の土地で受診を必要とするときには、最寄りのASLに登録されている保険医にかかることが出来る。しかしその時の診療代は有料である。

    {I-3}  登録保険医(ホームドクター)の診療請求について:

 登録保険医は被保険者の診療に際して医療報酬を要求したり、医療報酬を受領した場合には、SSN規約違反に問われる。このようなことが行われると、ASL責任 者へ告発される。

   {I-4} 専門医診療について:

 専門医診療は専門医診断・予防・治療そして入院を必要とする疾患の専門医治療等の目的で保険医から専門医へ依頼して行われる。 保険医が専門医診療を必要とする場合、所定のSSN書式に記入する必要がある。しかし専門医診療依頼書は小児科、婦人科、精神科、耳鼻咽喉科、検眼を目的 とした眼科では必要はない。更に家庭相談サービス、精神衛生サービス、麻薬更生サービス等で地域内サービスを受けるときも専門医診療依頼書は必要ない。公共専門医診療所では医療切符支払後、予約してから受診する。或る州では自由に、或る州ではASLの許可の受け付けてから、保険を適用する民間の専門医ま たは検査所でも受診できる。ASLが公共専門医診療所で専門医受診を4日以内に保証できないときは、民間に許可を与える義務がある。但し専門医診療費が受 診者本人全額負担の場合は、ASLの許可を必要としない。

{J}   「当直医」guardia medica について:

 休祭日、夜間緊急などで保険医の診療が出来ない場合には、当直医が保険医に代わって診療する。 救急診療病院での救急診療を必要とする以前に当直医を利用出来るが残念ながらあまり知られていない。

    {K}    救急診療 pronto soccorso について:

 「救急診療病院」 pronto soccorso ospedaliero は救急の時に利用出来る施設である。緊急時には公営の救急車(Pronto Soccorso Ambulanza)を救急サービス 118番(あるいは警察113番)で呼ぶことが出来る。料金は無料だが搬入先病院の指定は出来ない。また、電話などの呼出しに英語は通じないと考えた方がよい。電話をしている場所、状況、自分の名前と電話番号を明確に伝えると、オペレーターの指示で適切な救急サービスが派遣される。ほとんどの救急車は緊急の心臓発作などに対応した機材を備えつけている。
  この他に民間の救急車派遣会社がいくつか存在し、有料だが搬入先病院を選べる利点がある。私立の各総合病院は独自の救急車を用意していることが多く、この場合は有料だが搬入先は明確であり、多くの場合、英語が通じる。
  もし動けるのであれば、最寄りの救急病院(Pronto Soccorso)へ行くこと。イタリアでは、保険の有無にかかわらず、すべての外国人は緊急の場合の治療を受ける権利があり、原則として無料診療である。
  診察時間外に緊急に治療の必要があり、なおかつ救急病院に行くことができないのであれば、緊急診療所
(Continuita' Assistenziale)に電話する。このサービスは通常、平日8:00〜20:00、土曜日(または祝
祭日の前日)14:00〜月曜日(または祝祭日の翌日)8:00まで受け付けている。
医師による治療が必要で、診察に出向くことができない場合は、診察時間内に電話をすれば往診してくれる。
もし遠い場所であれば、代わりとなるドクターの名前と連絡先を教えてくれる。
イタリアでは、緊急事態における医師、もしくは応急処置の資格を持たない人の医療補助は違法だが、例えば救急車を呼ぶ、資格があるのに応急処置をしないなど同様の事態の際に協力をしない場合も違法となる。

 

    {L}    地域保健所(ASL=Aziende Sanitarie Locali, URP,CUP)について:

イタリア国内は20州(provincie)に分けられ、各州は3年毎に地方保健計画を作成する。この計画にもとずいて、地域保健所(Azienda` Sanitario Locale=ASL)の業務統括分野及び組織機構の編成、財政投資に関する指針設定、私立医療機関に関する利用規定、そしてこのASLへの財政投資が為される。従って州政府は国庫からの財源を全市民の医療に役立てる目的で、SSNから保証されている「二次医療サービス」医療業務活動を担当するASLへ分配する。

地域保健所(Azienda Sanitario Locali=ASL)は 病院管理、通院医療、入院医療、救急医療、一般医及び専門医医療、医薬支給、リハビリテーション、予防保健等の広範囲に渡る医療サービスを提供する。
  ASLの業務監督は州議会で指名推薦された評議員からなる評議会が行う。しかし1992年以来、EEC諸国の国民医療保健に準拠する目的で法令N.18/1994の改正があり、USL組織は順次改革されてきた。イタリアに おける医療、衛生、保健事情は他のEEC諸国同様の水準にあるが、最近、医療保険制度の改革が進み、限られた予算の中での内容改善を目的とした。
その改革の骨子となるのは (a)地域保健単位の事業体化 ?(b)病院組織網の再編 ?(c)公立病院制度の縮小化である。
  a) 地域保健単位の事業体化(aziendalizzazione):
全国で575箇所の保健医療単位(Unita` Sanitario Locale=USL)は 1996年度の改革により228箇所の地域医療事業体(Aziende Sanitarie Locali =ASL)と91箇所の病院事業体(Aziende Ospedaliere)とに組織変更された。この企業体方式の導入は、従来組織の活性化と効率化を目的としている。
  b) 病院組織網の再編(ristrutturazione della rete ospedaliera) 入院医療費節減の一環として病院 医療の多角化を目的としている。即ち、従来の長期入院医療に加えて、精神病患者や或種の環境障害患者(例えば麻薬中毒患者)の治療も含んだ病院外リハビリ とday-hospitalを意図している。
  c)公立病院制度の縮小化(deistituzionalizzazione)

{L-2}    保健予約センター(CUP=Centro Unico di Prenotazione)

 電話、E-mail,Faxなどで 地域保健所(ASL)が維持する専門医治療の有料受付の予約センターである。
予約業務の集中化による業務の簡略化かつ能率化を目的として設けられた。
予約窓口は地域保健所(ASL)内や病院内に設けられている。予約センターの電話番号は0421?227100で、月曜日から金曜日まで8:00時から16:00時までと土曜日は8:00時から12:30時まで受け付けている。E-mail,Faxでの受付は24時間態勢である。

    {L-3}    保健広報センター(URP=Ufficio per le Relazioni con il Pubblico)

 保健広報センター は地域保健所(ASL)内に設けられた窓口で、保険業務の円滑化とかつ医療行政の透明化を目的として設けられた。

 

    {M}    ヴァカンス期間中の診療について:

    {N}    医薬について:

 保険薬はSSN(医療保健サービス)の基本の一つである。

    {N-1}    保険薬について:

 保険医の処方医薬剤はSSN負担となるため、SSN所定の処方書式に記入し、その処方箋と引き換えに薬剤師から薬を受け取る。このSSN規定の処 方箋は同一州内での使用が義務づけられており、そして有効期限は10日間である。更に特別な「繰り返し処方」を除き、一枚のSSN規定処方箋には、2包(箱)以上の量を処方できない。

    {N-1}    医薬購入基準の分類について:

 1994年以来導入され、保健省下の医薬剤評議委員会が治療効果基準と薬価を以下のごとく三分類している。

タイプ 主な薬の種類 支払額
A 「基本薬」と慢性疾患治療薬;?赤色あるいは緑色刷りの処方箋毎に被保険者は購入出来る。
インシュリン、一部の痛み止め(アスピリンを除く)、抗生物質、コルチゾン、潰瘍治療薬、目薬
定価の10%
B 治療を目的とした医薬剤、すなわち軽症疾患治療に明白に効果がある医薬剤;?被保険者は購入後に保険払い戻しを受けるための処方箋が必要である。
ホルモン剤、制酸薬、一部の抗炎症剤
定価の50%
C その他の医薬剤、すなわち補助医薬剤;この種の医薬剤では被保険者は全額購入しなければならない。一般的な薬(風邪薬、鎮痛剤、解熱剤、胃腸薬など)は処方箋なくても購入出来る。
アスピリン、喉用トローチ、ビタミン剤、喉用シロップ、皮膚用クリーム 定価の100%

 グループAとBの薬を買う場合は、医師の処方箋が必要である。年間の収入が37,000ユーロ未満の高齢者や6歳以下の子供、また慢性疾患を患っている人は、グループA、Bの薬を購入する場合、最高でも3.5ユーロの支払いで済む。グループC 薬に処方箋は必要ないが、保険は適用されないので100%の支払いになる。また少量であれば、医師が手持ちの薬を無料でわけてくれる時もある。
  必要不可欠と認める医薬品(例えば、抗生物質、抗糖尿病薬、降圧剤、抗がん剤など)ではジェネチック薬価を基準とし、メーカー医薬品を購入した場合には被保険者がその差額を負担する。

 

    {N}    薬局ついて:

 薬局の多くは8:30〜12:30、15:30〜19:30の間で営業している。時間外でも、緊急の場合に備え、定められた区域毎に少なくとも1つの薬局は営業することが義務付けられている。(大都市では24時間営業の薬局もある。)時間外営業は当番制で薬局の入口に表示されている。?薬局は輪番制で(夜間も休日も含め)営業し、夜間の医薬剤販売では医薬剤価格とは別料金を徴収される。

 全ての病院といくつかの地域保険機関では直接保険薬を投与する準備がある。但し、被保険者への医薬剤販売はSSNの保険薬基準に準ずる。?薬剤師は医薬剤販売の他に次の大事な役割がある。;患者へ医薬剤用法上の情報提供、衛生・予防医学教育キャンペーンの協力及び緊急時に地域保険機 関への情報提供などである。

薬局では薬を中心に扱っているが、その他にも衛生用品、化粧品、健康食品、糖尿病用食品なども販売している。また処方箋が必要なメガネや簡単な血圧のテストができるところもある。また軽い病気の相談にものってくれる。

またNegozi Articoli Sanitari(整形外科用品)と呼ばれる店では、ひざや腕のサポーターなどの他、ハンディキャップをもつ人のため、車いすや介護用品、人工装具なども取り扱っている。治療の時に必要な場合は、これらのアイテム一つにつき36ユーロまでが保険適用となっている。

   {O}    保険診療の実際について:

 医師の診察が必要になった場合、まず登録保険医(ホームドクター)の所へ行って診察してもらう。ホームドクターは一般医で専門医ではないため、問診後に必要であれば薬局で処方箋なしで買える薬を購入するようアドバイスをしたり、精密検査、他の専門医の診断が必要とみなせば、診断書を書き専門医を紹介してくれる。その場合は、ホームドクターの診断書を持って専門医に診察を受けに行く。

ホームドクターに専門医の診察を受けるように言われたら、公立病院に電話するか直接出向いて予約をする。病院名にオスペダーレ(Ospedale)とついているのが公立病院である。診察が終わって、次回の診察はいつ頃という指示があった場合や、検査の予約が必要な場合は、予約窓口に行き予約を入れる。検査や薬の 処方箋を貰った場合は、ホームドクターの所へ行き、保険適用の用紙に記入して貰う。
ホームドクターの診察は無料であるが、専門医の診察には平均40ユーロ〜80ユーロの診察料がかかる。(なんらかの理由でいけない場合は、時間に応じて往診も可能。)
緊急事態(事故、怪我、発作、重い症状など)が発生したり、ホ―ム・ドクターの診察時間以外(休日、祝日、午後8時から午前8時まで)の場合、自ら救急病院へ行くか、118番(無料)に電話をして救急車を呼ぶことになる。救急病院での治療は、医療保険に加入してない人でも無料で診てもらえる。

   {P}    健康保険外自由診療の実際について:

直接、電話などで予約をし、診察後に支払いをする。健康保険は適用出来ないが、医療費控除の対象になるので、個人や会社で疾病保険や旅行保険等に入っている場合は、その保険が適応されれば後で払い戻される。
自由診療医は血液検査等が必要な場合は処方箋を出してくれるので、それをホームドクター(保険医)の所で保険適用にしてもらうか、もしくは私立の検査機関で有料で検査してもらう事もできる。

 

   {Q}    健康保険財源について:

国民保健サービス(SSN)業務は以下の3財源を元に成り立っている。

1.労働収入に比例した健康保険料
2.国庫税収入に由来する財源
3.診療内容に応じた患者の直接負担金(医療切符及び薬剤購入、専門医治療、診断等に際して支払う一定の負担金)

 

  {R}    その他

SSN保険サービスは義歯の費用は含まない。しかし自由診療での診療費用は保険適用になる得る。ある種の診療では公共診療所に代わって民間診療所で保険診療がなされている。



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このページは、 25.06.2010にアップデートされました。
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