イタリアの国土は31万1千平方キロメートルある。他のヨ−ロッパ諸国を比べてみると、フランス(55万2千・)、スペイン(50万1千・)、ドイツ(35万7千・)に次いで4番目の広さである。
地政学上の区分では、イタリアは20州、103県、8102市町村から構成されている。 州の中で最も大きいのは Sicilia 州(25707・、全国土の8,5%)で、最も小さいのは Valle d'Aosta 州(3263・、全国土の1,1%)である。一方最も細分化されている州は Lombardia 州で1546市町村からなっている。(Valle d'Aosta 州は74市町村)
最も人口の多い州は Lombardia 州(890万人)であり、最も少ない州はValle d'Aosta 州(11万6千人)である。 全国人口密度は190人/・であり、高密度なのはCampania 州で 424人/・ 、低密度なのは Valle d'Aosta 州の74人/・ である。
最近の国勢調査(1991年10月)の結果、イタリアの人口は5677万8千人で、この人口数はドイツの6200万人、イギリスの5700万人より少なく、ほぼフランス(5600万人)と同じである。
なおこの調査から性比率は、女性が2922万人、男が27557万人となっている。 教育水準は年々上昇しており、大学卒業者数は200万人(全人口の3,8%)を越え、一方、文盲率はかなり減少し、114万6千人(全人口の2,1%)である。
世帯数は増加しており、1990万9千世帯を記録している一方、近年独身者数(世帯数の2,8%)の増加を見る。しかも、人口の高齢化が進む一方、出生数の低下が著しく、「成長ゼロ」に近づき、人口減少期に入りつつある。1995年度の新婚数は28万3千25組で、これは人口千人当り4,9%に相当する。1985年度では5,2%である。一方、1995年度の出生数は52万1345児で、9,1%に相当し、1991年度のそれは9,7%である。従って新婚数は減少し、出生率も低下している。ヨーロッパ諸国の中でもイタリアは出生率低下・人口減少の最先端国である。1981〜1991年の10年間には44万2千人の人口増加を示しており、これは年率0,4%増に相当し、イタリア独立以来最低水準を顕している。
死亡率の方は医療面の進展と生活水準の改善のおかげで、一定水準を維持している。1995年度の死亡数は54万7214人で、9,5%に相当する。平均寿命は年々伸びている。男性の平均寿命は73,8歳であり、女性は80歳を超えている。-ISTAT 1997 資料より-
◆高齢者問題◆
2020年におけるISTAT(イタリア統計局)の高齢者予測では、65歳以上人口が国民の23%となり、平均寿命では男78.3歳、女84.6歳となり、80歳以上の高齢者数が急増する。
高齢者の慢性疾患の割合を見ると、同一患者の2種類疾病率は男52%、女61%である。3種類疾病率では男44%、女51%(ISAT1994年資料)となっている。これら疾病者の中には介護を必要とするアルツハイマー患者が50万人いる。
1994年における60歳年齢の要介護者数は200万人おり、これは60歳以上生存者数の17%にあたる。(ISTAT1997年資料)要介護者率は80歳以上となると急増する。 すなわち、60〜64歳時の要介護率6%が80歳以上となると47%となる。60歳時の男10%、女31%が独身生活者である。そして要介護の独身生活者は61万8千人いる。更に6百69万人高齢者の1/3以上が貧困状態にある。-GAZZETTA UFFICIALE n.288/10/98 資料より-
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