流行性脳脊髄膜炎について

 Epidemic Cerebrospinal Meningitis


19世紀初頭に流行性髄膜炎としてジュネーブでの流行が報告されているが、その後の流行はヨーロッパではない。しかし、本感染症は近年になり、旅行や移民・難民が増加するに従って発症件数が増えている。定期的流行地であるアフリカの「髄膜炎ベルト」や中近東地域を旅行する場合、最も警戒すべき伝染病の一つとなっている。
本症はヒトの口腔内常在菌と考えれている髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)が起炎菌で、鼻咽喉からの飛沫により伝染する。約10%近くの健常者に保菌者(キャリア)が認められると言われる。2〜4日の潜伏期の後,突然に発熱・頭痛・意識障害などが出現し,全身皮下出血・昏睡に見舞われ、致命率が極めて高いのが特徴である。本症の予防にはA,C,Y,W135の4群混合多価ワクチンが有用で乳幼児にも接種できる。



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